研究課題

周産期の不安・うつに対する認知行動療法のプログラムの開発と効果検証とその社会実装への取り組み

 周産期メンタルヘルス対策が進んでいるイギリスやオーストラリアでは、周産期のうつ病や不安症に対して認知行動療法を基盤とした非薬物治療の整備が着実に進めてられています。しかしながら我が国では、その必要性は認識されているものの、その整備が非常に遅れています。そこで本研究では、妊産婦さんを対象に、周産期の不安・うつに対する認知行動療法プログラムを実施して、その有効性を検証します。また現在、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、その感染への不安から外出を控えている妊産婦が必要な治療やケアを安心して受けられるように、オンラインによる支援体制を整備します。さらに、国内で周産期の不安・うつに対する認知行動療法の普及を目指して社会実装研究を行います。

 2023年度中に、フィージビリティ研究を開始する予定(現在、試験準備中 2023年5月時点)

周産期における女性のメンタルヘルスについての縦断的観察研究

 周産期メンタルヘルス対策が進んでいるイギリス等のガイドラインでは周産期のうつや不安に対して認知行動療法が推奨されています。しかし、日本では認知行動療法を利用したメンタルヘルスケアを行う体制は未だに十分に整っておらず、特に、不安症など、うつ病以外の精神症状に関する調査がほとんど実施されていません。妊娠・出産をむかえる女性がどのような不安で悩まされているのか、どのような介入が効果的なのかは明らかにされていません。そこで、この研究で、妊娠・出産をむかえる女性の様々な精神症状と、それに関連する要因を調査します。また、周産期の精神症状を測定するための、国際的に使われている評価尺度の日本語版を作成することも目的としております。本研究の成果は、周産期のメンタルヘルスケアにおいて早期発見・早期介入のためのスクリーニング検査の導入や、効果的な心理療法の開発に活かすことができます。

臨床試験登録情報 UMIN-CTR (参加者募集終了‐試験継続中 2023年5月時点)

  • 日本語 https://center6.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000050312
  • English https://center6.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr_e/ctr_view.cgi?recptno=R000050312