周産期における女性のメンタルヘルスについての縦断的観察研究

 周産期メンタルヘルス対策が進んでいるイギリス等のガイドラインでは周産期のうつや不安に対して認知行動療法が推奨されています。しかし、日本では認知行動療法を利用したメンタルヘルスケアを行う体制は未だに十分に整っておらず、特に、不安症など、うつ病以外の精神症状に関する調査がほとんど実施されていません。妊娠・出産をむかえる女性がどのような不安で悩まされているのか、どのような介入が効果的なのかは明らかにされていません。そこで、この研究で、妊娠・出産をむかえる女性の様々な精神症状と、それに関連する要因を調査します。また、周産期の精神症状を測定するための、国際的に使われている評価尺度の日本語版を作成することも目的としております。本研究の成果は、周産期のメンタルヘルスケアにおいて早期発見・早期介入のためのスクリーニング検査の導入や、効果的な心理療法の開発に活かすことができます。